層雲峡コースは、御所山で唯一の沢登りコース。途中、大沢登山小屋、この水系最大の滝「男滝」のある御宝前（ごほうぜん）を経て
尾根に上り山頂へと進む道のりです。山頂までの歩行約６時間、沢コースを登っての日帰りはかなりの健脚者のみ。大沢小屋で一泊し山頂に登り、クラビコースを下るのがベストでしょう。

山頂を目指す沢コースは約４キロの林道歩きから始まります。この林道は戦後復興期の材木需要にあわせブナの搬出用にくつられたものです。登山口の旧御所山荘、大沢小屋なども営林署が造ったものでした。材木岩は、この林道の右側を流れる渓谷の中にあり、普通に歩くとパスしてしまいます。時間が許せば是非よってみたい名所。道標に導かれ沢に下り、岩を経由して上流の出口から林道に戻るまで約１時間。高さ３０メートル、安山岩の柱状節理が屏風のようです。

層雲峡コースへは２年前に新装なった御所山荘に登山届けを出し（６〜１０月管理人常駐）出発。４キロの林道終点広場に屋根のついた休憩所があり、左がクラビコース、大沢小屋を目指す層雲峡へはここから右下の沢に下ります。降りたところが落合で、沢が合流しています。右手の本流を遡ります。本格的な装備は必要ありませんがバランス感覚が少し試されます。途中、苔滝、かかと石、お釜石などの滝、巨岩を見ながら進むと沢の先に赤い大沢小屋が見えてきます。落合から約１．５時間。写真は増水したときの沢で、こんなときは要注意。

層雲峡の水は酸性が強く魚が棲めません。お洒落な釣り人がいなので静かな沢歩きが出来るのかもしれません。沢のところどころに冷泉のようなものが涌き、温泉独特の臭いもします。遡るほどに川床は酸化した鉄分の付着が強まり茶色なり、沢コースの終点大滝まで続きます。