二つ森山は尾花沢市で東山と呼ばれる連山の南部にあり、北の神室山系、南の御所山の間にあって、奥羽山脈でも低山が連なるところ。今回登った北峰は標高７４２ｍ、南峰は６９５ｍである。

標高が低い二つ森でも２月に登るのは、天候と雪の状態を確かめないと簡単には登れないのが普通。だが、今年は事情が違う。２月半ばからほとんど降雪がなく、麓からも雪解けが進んでいることがわかる。入山は国道３４７号の最終集落、母袋（もたい）から、和牛育成センターへの道を入り、牛舎近くに駐車する。冬でも牛はいるので、施設の人に駐車の許可をもらって、スキーにシールを貼って、出発。

コースは１０分ほど林道を歩くと、視界が大きく開け牧草地へと着く。ガスっているときはどこを歩いているのか分からなくなるので要注意。今年、この辺はウインドクラフト（風による圧雪）した雪面が日射の繰り返しで所々でアイスバーン状態だった。スキーを軽快に進める。雪面はキラキラ光る。光線も本格的春山のようには強くないが、周りは４月の山のようだ。光を受ける雪面の様子を見る。人間の皮膚と同じではないかと思う。とちらも自然の創造物である。

北峰より南峰を見る。標高６９５ｍ、南峰は夏道が整備され２つ並ぶ山の鞍部からまっすぐに頂へ行くことが出来る。今回登った北峰は以前は道らしいものがあったのだが、最近は登らないようだ。積雪期シーズンならではの登山である。ルートは北峰中腹に突き出た息子岩の後ろをとおり尾根に出て、頂に向かう。もう少し雪が多いと北にのびた尾根沿いのコースもおもしろい。

標高７４２ｍの北峰山頂に到着。展望は抜群。登ってきた道の先、西側に尾花沢盆地、さらにその先に葉山と月山が見える。南には荒神山と主峰御所山。北には近くに翁山から続く黒倉山、東には特徴ある薬莱山が見えていた。山頂は比較的広く、視界をさえぎる木もない。

二つ森山から更に尾根が翁山方面にのびている。積雪期は、こちらへ行くことも可能。すぐ先には私が勝手に命名した出羽剣山があり、やせた尾根で両側が落ちている。この山をとおり、吹越峠へと出ることが出来る。
参考タイム、登山口から山頂まで２時間でした。雪解けが進むと、南峰直下に季節限定の逆滝が見られます。